2013年3月27日水曜日

● はる

● はる
★はる  【春】
(1)四季の一。冬と夏の間の季節。現行の太陽暦では三月から五月まで。陰暦では正月から三月まで。また、二十四節気では立春から立夏の前日まで。天文学上では、春分から夏至(げし)の前日まで。昼が長く、夜が短くなる。一年中で最も陽気がよく植物の発育期にあたる。
「冬が過ぎて―が来る」
[季]春。
(2)正月。新春。
「初―」
(3)勢いの盛んな時期。
「わが世の―を謳歌する」
(4)青春期。思春期。性的な感情を抱き始める年ごろ。
「―にめざめる」
(5)色情。春情。
「―をひさぐ」
» (成句)春惜しむ
» (成句)春立つ
» (成句)春を売る
» (成句)春を鬻ぐ
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・は・る  【張る】
(動ラ五[四])
[一](自動詞)
(1)物の表面などを一面におおうように広がる。
「池に氷が―・る」「蜘蛛(くも)の巣が―・った廃屋」
(2)木の根や枝が四方八方に大きく広がる。
「四方に根が―・る」
(3)ゆるみなくひきしまる。
「凧(たこ)の糸が―・る」
(4)突き出したり角立ったりしていて目立つ。
「あごの―・った男」
(5)ふくれて、はちきれそうになる。
「食べ過ぎて腹が―・る」「乳が―・る」「青柳の―・りて立てれば/万葉 3443」
(6)筋肉が固くなる。凝(こ)る。
「肩が―・る」
(7)感情のはたらきが強くなる。盛んになる。
「欲の皮が―・る」「食い意地が―・る」
(8)(「気が張る」の形で)精神が緊張する。
「気が―・っていたので疲れを感じなかった」
(9)数量・程度などが普通以上に大きくなる。
「嵩(かさ)が―・る」「仕事ガ―・ル/ヘボン(三版)」
(10)他人に負けまいとして張り合う。
「お金子(かね)で―・る事も出来るけれど/社会百面相(魯庵)」
(11)(多く「ハル」と書く)謡(うたい)や浄瑠璃などの音曲で、高い声、大きな声を出す。
「『君をいはひて』『はひて』と―・るべからず/申楽談儀」
[二](他動詞)
1.
(1)布状・網状・糸状の物を、たるまないように広げて固定する。
「テントを―・る」「テニスのネットを―・る」「ロープを―・る」
(2)(「貼る」とも書く)板状の物を何枚もつなぎ合わせて平面を作る。
「化粧板で天井を―・る」「床板を―・る」
(3)(多く「貼る」と書く)糊(のり)などをつけて物を平らな面につける。
「封筒に切手を―・る」「ポスターを―・る」「傷口に絆創膏(ばんそうこう)を―・る」「タイルを―・って壁を仕上げる」
(4)水などを、一面に満たす。
「風呂桶(おけ)に水を―・る」「田んぼに水を―・る」
(5)草木が根や枝を四方八方に大きくのばす。
「大地に根を―・る」「四方に枝を―・る」
2.
(1)人が肘(ひじ)・肩・胸などを突き出したり広げたりして、大きく見えるようにする。
「肘を―・る」「肩を―・って歩く」
(2)(「胸を張る」の形で)人が自分の自信や正当性を示すために、胸を大きく反らせる。
「胸を―・って答える」
(3)(「声を張る」の形で)高い声・大きな声を出す。張り上げる。
「声を―・って助けを求める」
(4)大きく開く。目をはる。
「眼(まなこ)を―・り呼吸(いき)を凝して/運命論者(独歩)」
(5)無理をして押し通す。
(ア)強引にある態度や気持ちを押し通す。
「意地を―・る」「強情を―・る」「我(が)を―・る」
(イ)ある感情を強くする。盛んにする。
「欲を―・りすぎて失敗する」
(ウ)無理にうわべをかざる。
「虚勢を―・る」「見えを―・る」
(エ)(「気を張る」の形で)気前をよくする。きばる。
「気を―・つて段々御馳走申ければ/浮世草子・禁短気」
 賭ける。
「有り金全部を―・る」「ヤマを―・る」「相場を―・る」
(1)(「体を張る」の形で)危険をかえりみずに事に当たる。
「おれは体を―・って生きているんだ」
(2)ある地位・立場に身を置く。
「横綱を―・る」
(3)相手に対抗する。
(ア)(「向こうを張る」の形で)相手の行動に対抗するような行動をとる。
「ライバル会社の向こうを―・って新型車を売り出す」
(イ)一つのものを複数の者が手に入れようとして争う。
「源三さんと同じ女子(おなご)―・つた時なぞ/南小泉村(青果)」
(1)広げるようにして構え設ける。
「祝宴を―・る」「論陣を―・る」「所帯を―・る」「つまらねえ店でも斯(こ)うして―・つてるから/真景累ヶ淵(円朝)」「宇陀の高城に鴫罠(しぎわな)―・る/古事記(中)」
(2)(「勢力を張る」などの形で)ある場所において勢力をもっている。
「関八州に勢力を―・る」
(3)人を見張る。また、人を待ちうける。
「―・り込む」
(「撲る」とも書く)
(1)平手で打つ。
「横っ面(つら)を―・る」「切った―・ったの大乱闘」
(2)相撲で、張り手を使う。
(1)将棋の駒を盤上のある箇所に置く。
「持ち駒を―・る」
(2)奮いたたせる。
「喇叭(ラツパ)を吹立て軍勢力を―・り/浮城物語(竜渓)」
[可能] はれる
[慣用] 網を―・煙幕を―・肩肘(かたひじ)―・金で面(つら)を―・根が―・門出を―/鈴を張ったよう
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・は・る 【▽墾る】
(動ラ四)
田畑や道を新しく開く。開墾する。
「草陰の安努な行かむと―・りし道/万葉 3447」
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・は・る 【晴る/霽る】
(動ラ下二)
⇒はれる
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・は・る 【腫る/脹る】
(動ラ下二)
⇒はれる
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・はる 【遥】
(形動ナリ)
はるかに見渡せるさま。「目もはるに」の形で、「芽も張る」とかけて用いられる。
「めも―に野なる草木ぞわかれざりける/古今(雑上)」
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・はる
(助動)(はら・はり(はつ)・はる・はる・はりや・○)
尊敬の意を表す関西での言い方。〔「なはる」の変化した「やはる」の転。たとえば「行きやはる」という言い方が「行きゃはる」となり、さらに「行かはる」となって「はる」が析出された〕→なはる

★津軽語辞典
方言  意味
はる  入る、(春)

★京ことば    意味
 ~はる    敬譲の助動詞  *どこいかはるのどす

★但馬方言     共通語
(~し)は’   る ~される(丁寧語)
・用例 備考
どこ行きなはる(どこへ行かれるの)。 年輩層が使う場合、方言的性質が強い。50歳代以下が使う場合は、上方から持ち込んだものが多い。

★大阪弁
はる、やはる   訳語  なさる、られる
・解説
尊敬語。「なさる」の転。語幹が1音の動詞では「やはる」とも言うが、大阪では語幹を伸ばして「はる」に続けることが多い。大阪下町では目上に対してのみ用いていたが、船場では京都と同じく対等や目下、身内、動物、無機質な物にも用いた。対等や目下であっても親しくない人や、不特定の人、歴史上の人物などにも用いる。師匠あしたの試合見にきぃはりまっか? 大阪城造らはったんはもちろん大工さんやねん、東京でも大阪弁しゃべる人結構いてはるらしいわ、うちのお爺さんが生前よう言うてはったわ。大阪では京都で生まれた「はる」が動詞の連用形について、行きはる、食べはる、見てはる、と使う。京都では、行かはる、食べはる、見たはる、と、五段動詞の場合や助詞「て」の場合はア列音でつなぐ。また、「いはる」「いやはる」「いてはる」とはいうが、「おりはる」「おってはる」とは言わず、「なさはる」も言わない。助詞「て」を伴う現在進行や過去表現では、「行きはってる」「行きはってた」とは言わず、「行ってはる」「行ってはった」になる。命令形だけは「なはれ」の形をとる。東京の「(い)らっしゃる」「おられる」「お○○になる」に相当する語。「いく」に例えると敬語表現では、大阪で「いきはる」、北摂、河内で「いきやはる」、中河内で「いきゃある」、伊勢で「いかっせる」、伊賀で「いかっしゃる」、近江湖北で「いきやる」「いかんす」、近江湖東で「いかる」「いきやす」、大和盆地北部で「いきへる」、大和盆地中部で「いかる」、大和盆地南部で「いかいす」、志摩や丹後で「いきなる」、中丹で「いっとっちゃ」「いってやる」、北摂、南丹波、神戸、播磨で「いってや」、泉南で「いかれる」、近畿の外側地域で「(いって)みえる」。船場では明治まで「てや」も使われていた。

★奥豊後の言葉
はる
原[意]地名に付く「原」を「はる」と読む。大分に限らず、九州一帯で使う[例]石原(いしばる)、小原(おはる)、新田原(にうたばる)、前原(まえばる)

★ハル  ウィキペディア  http://p.tl/x__p

★はる 隠語大辞典 http://p.tl/R8qI

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