2014年7月14日月曜日
●たすき(襷、手繦)
●たすき(襷、手繦)
◆たすき(襷、手繦)http://is.gd/bEOWMX
主に和服において、袖や袂が邪魔にならないようにたくし上げる為の紐や布地を指す。通常、肩から脇にかけて通し、斜め十字に交差させて使用するが、輪状にして片方の肩から腰にかけて斜めに垂らして用いる方法もある。交差させて使用した場合を綾襷(あやだすき)とも言う。「襷」という漢字は国字である。
現代において襷は日常的な実用品となっているが、古代は神事の装飾品であった。
群馬県で出土した巫女の人物埴輪では、「意須比」と呼ばれる前合せの衣服に帯を締め、
襷をかけている姿となっている。加えて、日本神話では天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩屋に隠れた際、
『 アメノウズメの命、天の香山(かぐやま)の天の日影を手次(たすき)にかけて 』
—「古事記」 神代
踊ったと記されており、これらの巫女が着用した例は襷を掛ける者の穢れを除く、物忌みの意味があったとされている。
古代の襷の材料は様々で、日蔭蔓(ひかげかずら)・木綿(ゆう)・ガマ (蒲) など植物性の類から、勾玉や管玉などを通した「玉襷(たまだすき)」があった。
玉襷は襷の美称の言葉でもあるが、玉類を利用した襷にも用いる言葉である。
平安時代でも、神社では神を祀る時には木綿襷(ゆうだすき・楮の樹皮を用いたもの)をかけ神事に臨み、聖なる行事の装飾品として用いた。
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◆手拭(てぬぐい)http://is.gd/RGRu8p
汗や顔や手を洗った後の水を拭ったり、入浴時に体を洗ったりするための木綿の平織りの布である。その他、寒暑除けや塵除けなどの目的や、祭礼においての装身具として頭にかぶるものである。
鎖手拭(くさりてぬぐい)については鎖帷子を参照。
置手拭兜(おきてぬぐいかぶと)については兜を参照。
3尺から9尺であったが、江戸時代には一幅(曲尺の1尺1寸5分、約34.8cm・反物の並幅、約36から38cm)で、長さは鯨尺2.5尺(約94.6cm)になり、ほぼ現在の約90cm x 35cm程度の大きさになった。詳細に寸法が違うのは一反(12m前後とまちまち)の布から8から11本を裁断したために、大きさが規格として曖昧になっていることや、着物を作成した時の反物の端切れからも作られたことによる。手拭の端が縫われていないのは、清潔を保つ為水切れをよくし早く乾くようにと云う工夫である。
染物としては晒(素地・白地)のものや、藍染になどを施しただけの無地や、無地や白地に柄を施したものがある。
本来、日本古来のものを指すが明治時代に西欧からももたらされたタオルを含むこともある。特にタオル地のものと区別するため、日本手拭などの言い方もする。
◆手ぬぐいの被り方 http://is.gd/mL1iVU
頭に冠した「鉢巻き」と、頭を被い後頭部で結ぶ「姉さん被り」と、頭と頬を被った「頬被り」と、乗せただけで、結ばない「着流し」のおおよそ4つに分類できる。被り方には男性だけのものや、女性だけのものがあり、女性においては年齢によっても被り方が区別されている。下記のほか被り方の詳細はわからないが、「道心被り」というものもある。日本髪から大きく変わったこともあり、被り方の名称は時代とともに変化した可能性がある。時代とともに変化した(姉さん被り、塵除け、田舎女)、そのためか混同している(米屋被り、巻被り、喧嘩被り)などもある。かぶりは「冠り」とも表記する。
歌舞伎においては、演じる役柄によって被り方が決められているものもあり、鉢巻きについては助六の紫を始めとし、白・樺色・紅などの色が指定されている場合もある。
手拭が新しい若しくは糊がかかって「ぱりっと」しているのか、使い古して「よれっと」しているのかによって、出来る被り方と出来ない被り方がある。頭頂部に折り目を施して山形に見せたり庇を出したり、被る前の手拭の用い方もそうであるが、特に結んだ後の端(耳ともいう)の処理が、そのまま「捻じる」、「縒る」、「折り畳む」など色々あり、そこから「上に突き出す」、「斜め上に突き出す」、二本まとめて「一本に見せて突き出す」、両端を真っ直ぐ横に突き出し「真一文字に見せたり」と、様々な処理の仕方があり、各々の被り方に更に細かい種類を作り出し、名称の有るもの無いものも合わせ、個人個人の気風を体現するかのように無数に存在した。
◆鉢巻き
・紐状にして鉢に巻く
鉢巻 - 四つ折りなど、帯状にして鉢巻にし後ろで結ぶ。
くわがた鉢巻 - 四つ折りなど、帯状にして鉢巻きにし後ろで結んだあと、両端を鉢巻きの下から上前へ突き出すようにする。突き出した両端がクワガタの鋏に見えることから名づけられた。
・役柄で向う鉢巻をする
歌舞伎役者向う鉢巻 - 四つ折りなど、帯状にして鉢巻きにし前で結ぶ。前で結んだ際に端を一本にまとめて、上に突き出してカブトムシの角(つの)の様にしたり、その結び目をちょっと中央からずらすなどの、結びと端の処理があるが、これらは髷の位置との兼ね合いから髷と手拭の端が、重なって見えないように工夫したためと考えられる。向こう見ず(むこうみず)や向こうに回す(むこうにまわす)、向かって行くという表現から、「向う鉢巻き」を「喧嘩巻き」とする解釈もある。
喧嘩鉢巻 - 捻じって紐状にして、前で結ぶ。江戸時代から鳶職に代表される被り方。
横鉢巻 - 四つ折りなど、帯状にして鉢巻きにし横で結ぶ。
捻り鉢巻 - 捻って紐状にして鉢巻きにし結ぶ。
お三輪巻 - 日本髪を結った女性の鉢巻きで、後ろの髷の下からまわして、額ではなく前髪のふくらみの後ろと、髷の間で結ぶ形の鉢巻き。画像の歌麿画:『汗を拭く女』も参照。
病鉢巻 - 四つ折りなど、帯状にして鉢巻きにし横で結んだあと両端を下に垂らす。歌舞伎や人形浄瑠璃で病気や恋煩いをしている人を疑似的に象徴するための装束として使われている。
◆鉢巻(はちまき)http://is.gd/BUxkUX
主に日本において精神の統一や気合の向上のために用いられる、頭に付ける細長い布あるいは紐である。
通常は赤や白の綿の布が用いられることが多いが、さまざまな色があるカラー鉢巻と呼ばれるものもあり、1本の鉢巻に2色以上の色が付いている場合もある。
通常、幅約3~5cm、長さ90~120cm程度のものが多い。中には2~3mのロング鉢巻というのもある。
鉢巻には一般的な鉢巻紐(棒鉢巻)のほか、最初から環状に結い付けてある結上鉢巻もある。
鉢巻紐の結び方としては、布を堅くよじってロープ状にした「ねじり鉢巻」、結び目を額に置く「向こう鉢巻」と呼ばれるものがある。 サラシ地の和手拭やタオル、バンダナなどを代用品にする場合も多い。
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