2014年7月29日火曜日

特攻隊最後のラブレター

特攻隊最後のラブレター 「智恵子、会いたい、話したい、無性に」 戦争当時婚約していた穴澤利夫少尉と婚約者智恵子さんのせつな過ぎるお話です。 穴沢少尉は、白い飛行マフラーの下に婚約者の智恵子さんから贈られたマフラーを締めていた。 「神聖な帽手や剣にはなりたくないが、替われるものならあの白いマフラーのように、いつも離れない存在になりたい」 穴沢少尉は彼女のこの一途な思いに、贈られたマフラーを彼女の身替りとして肌身につけて出撃し散っていったのである。 神風特攻隊 穴沢利夫少尉の遺書 二人で力を合わせて努めて来たが終に実を結ばずに終わった。 希望を持ちながらも心の一隅であんなにも恐れていた゛時期を失する"ということが実現 して了ったのである。 去月10日,楽しみの日を胸に描きながら池袋の駅で別れたが,帰隊直後,わが隊を直接 取り巻く情況は急転した。 発信は当分禁止された。転々処を変えつつ多忙の毎日を送った。 そして今,晴れの出撃の日を迎えたのである。 便りを書きたい,書くことはうんとある。 然しそのどれもが今迄のあなたの厚情に御礼を言う 言葉以外の何物でもないことを知る。 あなたのご両親様,兄様,姉様,妹様,弟様,みんないい人でした。 至らぬ自分にかけて下さった御親切,全く月並の御礼の言葉では済み切れぬけれど「あり がとうございました」と最後の純一なる心底から言っておきます。 今は徒に過去における長い交際のあとをたどりたくない。 問題は今後にあるのだから。 常に正しい判断をあなたの頭脳は与えて進ませてくれること,信ずる。 ただしそれとは別個に,婚約をしてあった男性として,散ってゆく男性として,女性であ るあなたに少し言って征きたい。 あなたの幸を希う以外に何物もない。 徒に過去の小義に拘る勿れ。 あなたは過去に生きるのではない。 勇気をもって過去を忘れ,将来に新活面を見出す事。 あなたは今後の一時々々の現実の中に生きるのだ。 穴沢は現実の世界にはもう存在しない。 極めて抽象的に流れたかも知れぬが,将来生起する 具体的な場面場面に活かしてくれる様 , 自分勝手な一方的な言い方ではないつもりである。 純客観的な立場に立って言うのである。 当地は既に桜も散り果てた。 今更何を言うかと自分でも考えるが,ちょっぴり慾を言ってみたい。 1.読みたい本 「万葉」「句集」「道程」「一点鐘」「故郷」 2.観たい画 ラファエル「聖母子像」,芳崖「非母観音」 3.智恵子 会いたい,話したい,無性に。今後は明るく朗らかに。自分も負けず朗らかに笑っていくく。 昭和20年4月12日 利夫 智恵子様 穴沢利夫少尉  昭和20年4月12日 沖縄周辺洋上で戦死23歳 穴澤少尉の婚約者、伊達智恵子さんも2013年 五月三十日早朝、天国へ召されました。 まさに身を引き裂かれる恋、戦後残された智恵子さんの思いは当時のまま止まっていたのではないでしょうか。 あの世でお二人が再び会えますように、合掌。 こちらのリンク様より転載させて頂きました。 http://s.ameblo.jp/katsuya-daii/entry-10296696235.html

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