2014年7月27日日曜日
武力を使えない国は奴隷にされる
武力を使えない国は奴隷にされる
ワイルドインベスターズ株式会社
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日本は70年ほど軍事力を行使をする機会がありませんでした。
世界史上でも例外的に幸福な時期だったと言えるでしょう。
しかしそのおかげで、軍事や地政学が軽視されるようになりました。
「援助や話し合いであらゆる問題が解決できる」と勘違いする人が増えたのです。
学生のうちはそういった勘違いも仕方がないと思います。
しかし社会に出ると、我々は自分の権利が暴力によって守られていることを学びます。
あなたが襲われないのは、「警察」という公的暴力が守ってくれているから。
貸したカネが戻って来るのは、最後は「裁判所による強制執行」という公的暴力が使えるから。
日本の領土が奪われないのは、自衛隊と米軍という暴力装置が守ってくれているから。
自由主義も資本主義も、暴力というプラットフォームを公正適切に運用することによって維持されているのです。
この現状認識がなければ、問題解決がきわめて難しくなります。
ところが日本の場合、良い大人が「相手の言いなりで援助をすれば身を守れる」という幻想にとらわれて自分の国や会社を危険にさらしているのです。
他国に資金や技術を援助したあげく、脅され領土を奪われそうになっている政治家や官僚。
のこのこ敵国に工場を作って市場を奪われ、会社を潰して身ぐるみ剥がされた経営者。
マスコミは事実を隠し、「近隣諸国と仲良く」「話し合いで解決を」と寝言を繰り返すだけ。
行き過ぎた平和主義が逆に戦争を招きよせているという現実に、多くの人が危機感を覚えています。
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これにはしかたがない部分があります。
戦後の日本は、武力による紛争解決を放棄しました。
自分の意志で軍事力を行使できないのに、その場合を前提に考えを進めるのはムダに思えます。。
カネがすべての世の中になり、軍事学も地政学も忘れ去られた学問となりました。
戦場から遠ざかったおかげで、非現実的な話ばかりする「識者」が跋扈するようになりました。
「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える」ように、軍事力の強い国は軍事力で問題を解決しようとします。
日本は逆に、ハンマーを捨てたおかげで釘が見えなくなってしまったのです。
通常の国家は、アメとムチを併用して自国の意見を通します。
アメ = 援助 = 外務省(米国は国務省)
ムチ = 軍事力= 軍隊 (米国は国防省)
交渉も最初はソフトですが、次第にグレードアップして行きます。
説得 → 取引 → 警告 → 恫喝 → 軍事力行使
こういったステップが見えているからこそ、話し合いの段階でお互いどこかで妥協します。
国家間の交渉はほぼすべて、軍事力を背景とした利権の奪い合いなのです。
日本の場合は、ムチを使うことができません。
するとアメ=援助だけが交渉のカードになります。
ところが「援助による安全保障」の問題点は「いくらやっても終わりがない」ことです。
政治家は日本国民の財産や技術を他国にタダで与え、日本企業を窮地に陥らせます。
会社がバタバタ倒れ自殺者が激増しても、増税して他国のために貢ぎ続けます。
それをやめたくても、日本国内でキックバックをもらっている人々がやめさせてくれません。
売国利権が大きなビジネスとしてすっかり出来上がっているのです。
悪意のある相手にしてみれば、これほどのカモはいないでしょう。
いいがかりをつけて怒鳴ってやれば、いくらでも援助を引き出せるからです。
条約も契約も、すべて後から反故にできる。
ゴネるようなら「戦争するか?」と脅せば良い。
面倒な交渉や取引も必要ありません。
それを見ていた他国も「日本人相手なら脅せばよい」と学習し、様々な言いがかりをつけてくるようになりました。
この悪循環から抜ける方法はあるのでしょうか?
第一に、「悪意のある相手に援助することは危険」と知ることです。
第二に、「言いなりになればそのうち終わる」という幻想を捨てることです。
ゆすりたかりが一度で終わるはずがありません。
たかり屋に一度カネを払えば、次はもっとすごいネタを作り出して大金をつかみ取ろうとします。
尖閣を守らなければ、沖ノ鳥島や南鳥島など多くの島が一気に取られます。
その次は沖縄、九州と続きます。
「寸土を失うものは全土を失う」のです。
戦後の日本人は「軍事力抜き」という特殊環境の中で、独特の思考回路を発達させました。
それは「援助や話し合いであらゆる問題が解決できる」という大きな勘違いです。
しかし現実世界では、敵意をカネで消し去ることはできません。
いまこそマキャベリの言葉を噛みしめて、敵国への援助をやめるべきでしょう。
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「次の二つのことは、絶対に軽視してはならない。
第一は、忍耐と寛容をもってすれば、人間の敵意といえども溶解できるなどと思ってはならない。
第二は、報酬や援助を与えれば、敵対関係すらも好転させうると思ってはいけない。」
ニコロ・マキャベリ
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