2014年7月14日月曜日

『ガイド日誌  北海道美瑛町「ガイドの山小屋」』より

『ガイド日誌  北海道美瑛町「ガイドの山小屋」』より 【注意情報】 親切心に付け込む人々にご注意 (長文で、嫌な内容が含まれますのでご注意ください。読んだあとは嫌な気分になりますが、被害を拡大させないためには私が悪者になってでも注意喚起する必要があると思ったので書きます。本当はこんな内容のブログ書きたくないんです。) 困ったものです。 海外のあるガイドブックにこのような記事。 「日本(北海道)で困ったことがあったら、通りがかりの日本人に電話をかけてくれるよう依頼しなさい」 「日本人(北海道人)は親切なので、力になってくれます。」 「あなたのモバイル(携帯電話・スマホ)は使わなくても結構。高い電話代を払う必要はありません。」 一見、正論に見えますが、ちょっと違和感ありませんか? いったい何の意味が隠されているんでしょう。 大抵の観光客は英語を話します。 また宿などの観光施設はだいたい英語を話しますので、ご本人が直接電話してきても何も問題はないのです。 ではなぜ、彼らは通りがかりのひとや地元のひと(場合によっては民家に飛び込む)を利用するのでしょうか。 ひとつは、日本人(北海道人)が親切だから。 親切心は、付け込みやすいのです。 こういうケースがありました。 あるカフェは毎週○曜日が定休日。 でもお客さんが知らずに来る。 CLOSED?怒!(本来、怒る場面ではないはずですが) 彼らは自分の電話は使わずに、たまたま目に入った近所の家にいく。 呼び鈴を鳴らし、対応したご近所さんに、ココに電話するように依頼する。 その旅行者が困っていると感じた住人の方は力になってあげようと閉店しているカフェに電話をする。 休日で休んでいたカフェオーナーは、表示された電話番号から近所の人からの電話だと思って出る。 すったもんだの結果、かわりに電話をかけているご近所の方は、 「困っているんだから店をあけてあげてもいいじゃないか!」と腹をたててしまう。 ご近所の方に迷惑をかけていることに困惑してしまい、結局、お店をあける。 彼らは貸切の店内で勝ち誇り、自分たちのスマホで記念撮影。ピース。 日本人ちょろい。 ・・・。 朝早く到着した。 宿にチェックインしたいけれど、チェックインの時間は午後4時。いまは午前11時。 宿に電話したらやっぱり断られた。 そこで、近くにいたひとに宿に電話をかけてもらう。 以後、そのひとが代わりに交渉することになる。 それでもチェックインは不可。埒があかない対応にいら立つ交渉人。 ついに怒りだす。 困っているじゃないか。女の人は体調が悪いといってる! (いつの間にか、ひとりが病人になってます。よくあることです。) 結局、宿の主人は渋々受け入れざるを得なくなります。 いつの間にか悪人にされてしまって、お気の毒なことです。 そして今回もうまくいきました。上場首尾。 日本人ちょろい。 ・・・。 ガイドの山小屋も例外ではありません。 今シーズン、上記と似たことが、すでに10回以上発生しています。 まさに急増、です。 ある人など、レンタサイクル屋の当店にやってきてタクシーを呼んでほしいと頼むのです。 本末転倒ですがモメるのは嫌なので、こういうケースのために作ってあるタクシー会社の電話番号リストのコピーを渡して 公衆電話の場所を教えます。徒歩1分。 でもダメなのです。公衆電話はダメ、自分のモバイルもダメ。 ちなみにそのひとは英語を話します。私とのコミュニケーションは英語です。ちなみにタクシー会社の予約電話は英語可。 でも彼らは承知しません。 こういうこともありました。 宿に予約電話をしてほしい。 素直に応じたら、やられました。 宿にはとうとう現れなかったそうです。 無断キャンセルによる損害は私たちが被らなければなりませんが、それは免じていただきました。 しかし、その宿との関係は悪くなってしまいました。 まったく、ひどい目にあいました。 昨日のケース。 家族4人。途中でお母さん(推定40歳)が自転車で転んでしまった。 「もう嫌!」すっかりご機嫌を損ねたお母さん。フラフラの重病人になってしまう。 迎えにきてほしい、という電話。もちろんその場に居合わせた方の携帯で、その方が代理でかけてきました。 以後、交渉はその方が代理で行います。 お迎えは有料です。1時間後に迎えにいきますと伝えたところ、交渉の雲行きは急変しました。 板ばさみになった交渉役の方が苛立ってしまい、 お客さんに対してひどいんじゃないか、という空気になってしまいました。 そのとき、ガイドの山小屋の店頭にはお客さんが大勢いて受付の順番を待っていました。 お店を閉めてお迎えにあがれるような状況ではありませんでした。たまたま、この日は私がひとりですべて対応していました。 いっぽう現地では、とうとう救急車まで呼んで大騒ぎになったようです。 急を知らせる一報がもたらされました。 これには参りました。 救急隊は、搬送しようとしたようですけど、本人は拒んだようです。(明日の札幌観光がパーになるし、入院させられたらお金がかかる、という理由) 簡単な処置だけをして、救急隊はまもなく去ったそうです。 しかしながら急を要する事態になり、私は追い込まれました。 午後からの大型バス2台の受け入れを断り、大勢のお客さんを追い払うようにして店を閉めなければならなくなりました。 そして駈けつけてみたら、おばさま無傷。 ただ、大袈裟に大根役者芝居をしているおばさんがいる。 「かわいそうな私」を精いっぱい演じていらっしゃいました。 それにしても、もうちょっとマシな演技できないんでしょうか。 こういう方をこれまで70人くらい見てきたのですが、 みなさん一様にまったく同じ芝居をします。 当の本人は一世一代の大まじめな芝居なので、平素は一応騙されて差しあげるのですが さすがにこの日は笑えませんでした。 私はバスの受け入れを断り、店頭のお客様を追い払いました。 閉店の時間中もきっと何人もの方が来店されたと思います。 この一件で私の店は一気に信用を失いました。 大型バス受け入れは契約の上でのことですから、当然今後の取引は停止になります。 場合によっては慰謝料請求の可能性もあります。 そして、追い返したお客さんは、大変怒っているでしょうね。 大根役者おばさん。 なぜそこまでして回りを巻き込むのでしょうか? 呼んだタクシーに上機嫌で乗って、去っていかれました。 今シーズンは何かおかしい。 某海外ガイドブックの「親切心に付け込んでうまくやれ!」指南の存在。 これは大変困ったことです。 これからも被害は各地でどんどん拡大していくと思います。 巻き込まれるのは宿や観光施設だけにとどまらず、通りがかった旅行者、ご近所の方、電話をかけさせられるすべての人が巻き込まれます。 1円も使わずに要求のすべてを手に入れた彼らが高笑いを残して去ったあとに残されるのは、 電話をかけあった当事者の間の深い不信感の溝。 なぜ、私たち日本人(北海道人)同士がこうならなければならないのでしょう? なんかおかしいですよね。 みなさん、どうか気をつけて。 自分のモバイルを使えばいいんじゃない?と突き放すことが大事だと思います。 ぎゃあぎゃあ大袈裟にわめいたり泣いたりしますけれど、それはほとんどの場合、大根芝居です。 騙されてはいけません。 関わってはいけません。 触らぬ神に祟りなし。です。 どういうケースでも、ご自分のモバイルで直接、私たち当事者に電話してくれたら、 すべて解決します。 彼らは必ずアイフォン持ってます。普及率は日本人以上です。 当たり前ですが、そのアイフォン、ちゃんと日本で使えます。 ただ、海外ローミングサービス(外国で自分の携帯電話を使用する)は、自国よりも割高なので、 使いたくないだけ。電話代も「親切な日本人」に払わせるわけです。 日本人ちょろいですから。 ただ、 外国人に慣れている観光施設の私たちは、そう簡単には騙されません。 電話してきても、サラリとかわされます。 だからこそ、彼らは中間に日本人(北海道人)を関与させて板ばさみにして利用するのだと思います。 うまくやろうとするんですよね。 本当に、外国人観光客はしたたかです。 ただ、勘違いしてはいけないのは、これは一部の観光客のすることです。全員じゃない。 国も特定できるわけではありません。 ただ、ガイドブックの指南の影響で、いままで姑息なことをしなかった人までもが 真似するようになった、ということが問題だと思います。 日本人ちょろい。 なんか、悲しいです。

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