▲曲尺(かねじゃく)・鯨尺(くじらじゃく)の製造・販売を許可することを決める(1977)9月16日
★計量行政審議会 経済産業省産業技術環境局知的基盤課計量行政室 http://p.tl/phv0
★日本工業標準調査会 - 経済産業省(Adobe PDF)http://p.tl/Ba49 http://p.tl/ZSXW
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★度量衡(どりょうこう) [ 日本大百科全書(小学館) ] . http://p.tl/IShm
長さ、面積、体積および質量の単位、標準、ならびにこれらの計量器について定められた慣習や制度をいう。英語のweights and measuresにあたる。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★田舎間(いなかま) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
江戸時代に主として江戸で建築や土地を測るのに用いられた、曲尺(かねじゃく)6尺(182センチメートル)を1間(けん)とする寸法。京都を中心とする近畿地方で用いられた京間(きょうま)に対していう。江戸末期に関東地方では広く用いられるようになっている。 [ 執筆者:平井 聖 ]
★かね尺(かねじゃく) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
(1)明治政府によって33分の10メートルと規定された尺貫法の基本単位。曲尺(かねじゃく)とも表記する。
(2)直角に折れ曲がった金属製の建築用物差し。曲尺(きょくしゃく)、曲金(まがりがね)、差し金(がね)などともいう。漢字では「矩」と書く。
道具としてのかね尺は、建築部材の寸法や角度を、計算することなく機械的に割り出し、墨入れできる工具として、中国の周代に魯班(ろはん)がつくりだしたものとされ、このため中国では魯班尺とよぶ。長いほうを長手(ながて)または長腕(ながうで)、短いほうを短手(妻手)(つまて)または短腕(つまうで)という。表面の正規の尺目盛り(表目)の裏に、その1.414()倍の伸び目盛りが目盛ってある。これを裏目とよぶ。この二つにより必要な寸法や角度を割り出す。さらに中国の古いかね尺には、この裏目、つまり表目の1尺4寸1分を10等分し、それに順次「財、病、離、義、官、劫(こう)、害、本、財、病」と記したものがある。日本の江戸時代のものは、これと違って、表目の1尺2寸を8等分し、各部分に「財、病、離、義、官、劫、害、吉」の8字が刻んである。これらは、門扉の寸法数値に関する中国の占星術的な宿曜道(すくようどう)による呪術(じゅじゅつ)的なもので、後代につけられたものらしく、この文字目盛りを魯班尺という場合もある。
短手の裏には表目のπ(パイ)分の1倍の目盛りがつけられている。これで丸材の直径を測れば、そのまま円周の長さが求められる。直角に曲がった角を矩(かね)の手といい、正確に直角が出されている。材料は鉄または真鍮(しんちゅう)であったが、現在はすべてステンレス鋼製である。部材に押し付けて墨入れするため、適当な弾力が必要である。江戸時代までは主として難波(なにわ)(大坂)で伝承的につくられ、名人といわれた又四郎の名をとって又四郎尺ともよんだ。かね尺は建築用として職人たちに伝承されたから、中国、朝鮮および日本を通じて1尺の長さはそう大きく変化していない。江戸時代のものも、ほとんど現行の尺と一致している。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★物差し(ものさし) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
物の長さを計る器具の総称。物差しは物を差し計る意である。人類が最初に使い始めた計器で、また今日でも広く使われている。普通、木、金属または骨などの板または棒に目盛りをつけたもの(直尺(ちよくしやく))をいうが、両端間の長さを基準とした端面尺もある。金属や繊維製のテープに目盛りをつけて巻き取れるようにしたものが巻尺で、紐(ひも)や縄に単位長さごとに標識をつけた巻尺は間縄(けんなわ)とよばれる。また単位長さの針金を両端の鐶(かん)でつなぎ合わせた測量用の物差しは連(れん)尺またはチェーンとよばれる。直尺を二つ直角に組み合わせた金属製の建築用の物差しは曲(きよく)尺、差し金(がね)、まがりがね、かねじゃくなどとよばれるが、これには本来の直尺のほかに、建築に必要な寸法や角度を割り出す特別な目盛りがついている。直尺の一端に当て板を設け、別に直尺に沿って動く遊標を設け、この間に物を挟んで計るものを挟み尺といい、計る対象物によって特別につくられたものは玉尺、ロープ尺などと用途の名でよばれることがある。挟み尺の遊標の部分に副尺をつけ、主尺の目盛りを10分割あるいは20分割して読み取れるようにしたものをノギスという。
マイクロメーター、ダイヤルゲージなども目盛りをもつ長さを計る道具であるが、これらは一般に物差しとはいわず測定工具あるいは精密測定器の分類に属させている。両端面の間の寸法を精密に仕上げたバーゲージ、ブロックゲージも同様である。
物差しはまた古来材料によってよばれるものがあった。竹尺、鉄尺、象牙(ぞうげ)尺、鯨(くじら)尺などがそれである。また用途によってよばれるものも多い。文(もん)尺は足袋(たび)の文(もん)数を計るもの、呉服尺は呉服用、酒造尺は酒の仕入れ桶(おけ)の中の酒の量を液面の位置を計って出すもの、溢引尺(あびきざし)も酒造尺の一種である。地面、布、電線などに沿ってローラーを回し、その回転数から長さや料金を出すものも、物差しの一種であるが、計量法ではこれらを回転尺とよんでいる。伊能忠敬(ただたか)が測量に用いた量程車や現在のタクシーメーターもこれに属する。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★巻尺(まきじゃく) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
使用しないときは巻枠に巻き込んで格納して携行する長い物差し。金属製、繊維製および竹製などがある。金属製には針金状のものとテープ状のものが、繊維製には紐(ひも)状とテープ状のものがある。竹製は竹を細く割って接(は)ぎ合わせたものである。いずれも単位長さごとの目盛りまたは標識をもつ。
巻尺の歴史は古く、ピラミッドの建設に紐状の巻尺を使っている図が残っている。初期のものはすべて紐、縄、竹のひごで、日本では測量用のものは間縄(けんなわ)または竹縄(たけなわ)とよばれ、また田地用のものは水縄(みずなわ)ともよばれた。
最高級のものには測量用基線巻尺がある。これは、温度による膨張収縮のない25メートルほどの合金の針金尺で、両端のみに目盛りがあり、測地基線の設定に用いられる。一般に用いられる測量、建設用のものは鋼製のテープ状で、必要に応じ温度および張力の補正を行う。200メートルが最長であるが、特別な用途にはもっと長いものもつくられる。日常用の短いものには、テープを樋(とい)状にして、立てて使えるコンベックスルールがある。
繊維製は麻などの天然繊維が用いられていたので、温度・湿度による変化が大きかったが、最近はガラス繊維にかわり、精度・耐久性とも向上した。竹縄は第二次世界大戦前まで水田などに用いられたが、いまはつくられない。一般用にはJIS(ジス)(日本工業規格)が設けられ、また計量法の規定もあって精度が定められている。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★計量法(けいりょうほう) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
計量の安全確保のために必要な事項を定めた法律。1951年(昭和26)6月7日法律第207号として公布、52年3月1日から施行された。その後数次の改正を経て今日に至っている。基本的には1891年(明治24)制定の「度量衡法」を踏襲し、対象とする物象の状態の量が、度量衡3量から大幅に増加された。「計量法」と改めたのはそのためである。1993年(平成5)には、計量単位をすべて国際単位系(SI)へ統一する改正が行われ、99年9月30日までに、これまで国際単位系と食い違っていた一部の単位の切り替えを実施した。
内容を大別すると、計量単位とその規制、計量器に関する事業の規制、計量の安全確保、計量器の検定・検査である。対象となる物象の状態の量は72種類(1999年現在)で、これを法定計量単位としている。これらはすべてメートル法によっており、第8条で、取引、証明には法定計量単位以外は使ってはならないとしている。これが日本のメートル法による統一の根拠である。
対象となる計量器は温度計、電力量計など18器種であるが、これらは状勢により改廃される。ここにあげられた計量器を製造する者は経済産業大臣の登録を、修理する者および政令で定められる計量器を販売する者は都道府県知事の登録を受けなくてはならない。製造および修理事業者は、一定の検査設備を備え、かつ製造の場合は社内検査規程を届け出てこれを守らなければならない。これは、まず製造、修理の段階で必要な性能を確保するためである。
計量の安全確保の内容は、家庭用計量器の製造時における基準適合義務、体温計など政令で定める計量器の検定品以外の販売禁止、計量器の使用の制限、商品の量目誤差、計量器の用途や使用方法の制限等である。検定はとくに必要と認められるもので、政令で定められたものについて行われる。このうち商用秤(はかり)などは使用中のものについて定期検査が行われるが、計量法に定められた事項一般については立入検査を行うことができる。違反に対しては罰則が設けられている。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★計量器(けいりょうき) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
「計量法」によれば、「計量をするための器具、機械または装置」と定義されている。同法によれば、計量とは同法に掲げられた78種類(1984年現在)の物象の状態の量を計ることとあるので、とくに計器や計測器などと区分できない。しかし一般に計量器といえば、秤(はかり)や枡(ます)のような商業用のものをさす習慣があるので、種類や構造にかかわらず、取引や証明の安全確保を目的とする計量法の対象となるものということになろう。対象となる計器は第12条に列記され、1984年現在、直尺、秤など20器種。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★秤(はかり) [ 日本大百科全書(小学館) ] . http://p.tl/W2-O
物の質量を計る器具・機械の総称。語源は和語の「はかるもの」で、漢語では衡または称である。計量法では質量計という。英語では天秤(てんびん)やさお秤(ばかり)の類をbalance、そのほかをscaleという。一般に計ろうとする物に作用する地球重力加速度による力を、分銅またはおもり(錘)のそれとつり合わせるか、または力による弾性体の変形または変位に変える構造になっている。種類はきわめて多く、分類の方法にもいろいろあるが、天秤、さお秤、台秤、ばね秤、その他に大別される。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★枡(ます) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
決まった体積の容器または決まった体積の位置を示す指標や、一定体積を定める装置をもつ計量器であるが、普通は単位体積を盛り切って計るものをいう。円筒形、方形、台形など各種の形のものがあるが、日本では明治以前の枡はすべて方形であり、円筒形が認められたのは明治以後である。枡の語源は古代朝鮮語ともいわれるが、はっきりしたことはわからない。人間が物差しに次いで古くから用いてきた計量器で、穀物を租税として徴収し、あるいは売買に使う道具であるところから、古来各国とも厳重な規制を設けてきた。しかし実際は、収納量を増加するために権力による改変が行われ、一般に年月とともに容量は増大している。たとえば現在の1升は漢の時代のそれの10倍近くにもなっている。
日本の枡の単位は石、斗、升、合、勺ですべて中国起源であるが、大宝律令(たいほうりつりょう)において制度とされたものは唐のそれである。基本の枡は升で、制定当時の大きさはいまの4合説、6合説その他があって一定しない。律令制の崩壊とともに一定の制はなくなり、荘園(しょうえん)、寺社の私制枡が横行し、歴代、統一の政策はとられたが成功しなかった。室町時代末期には平均いまの8合ほどに増大していたと推定される。豊臣(とよとみ)秀吉は、いわゆる太閤(たいこう)検地を行ったが、収穫量の算定を統一するため枡の統一を行った。一升枡は方5寸、深さ2寸5分のもので、当時一般に普及していたものより2合ほど増したものである。これを京升という。その後寛文(かんぶん)年間(1661~73)のことと思われるが、方を1分詰め、深さを2分増した、6万4827(六四八二七、いわゆる「むしやふな」)立方分のものに改められて明治に至っている。江戸幕府は、これらの枡の製作、販売および取締りを江戸と京都の枡座に専管させた。
江戸枡座は樽屋藤左衛門(たるやとうざえもん)で東33か国を、京都は福井作左衛門で壱岐(いき)、対馬(つしま)を含む西33か国を管掌した。種類は一合、二合半、五合、一升、五升、七升および一斗で、穀用と液用の木地(きじ)枡があり、穀用五合以上には対角線に沿って弦鉄(つるがね)がつけられたが、この弦鉄の体積は容量に見込まれていなかった。したがって穀用は正規の体積より弦鉄分だけ小さいのである。これが明治になって修正されたので、穀用五合以上のものの寸法は江戸時代のものと差がある。明治になって円筒形の枡が認められ、また枡の定義も改められて各種の形状のものがつくられるようになった。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★天秤(てんびん) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
左右の腕の長さの等しい天秤ざおの両端に皿を吊(つ)り、品物の質量を分銅の質量と比較する秤(はかり)。天秤には使用目的に応じて、微量天秤、化学天秤、上皿天秤などがある。現在天秤と称されるものはかならずしも両腕の等しいさおのものばかりではない。不等比のさおで分銅を内蔵し自動的に質量を指示するものを直示天秤、さおの傾きを電磁気力でつり合わせるものを電磁天秤と称している。
人間が最初に用い始めた秤で、現在も最高級の秤はこれに属する。紀元前3000年ごろのエジプトの壁画に表れた天秤は、先細りで軽くじょうぶにつくられたさおをもち、水平を定める装置もついている。古代エジプトの薬法の最小単位は約0.7グラムであるので、天秤の感度はこの10分の1としても、0.1グラムに達したと思われる。分銅には最初石が用いられ、しばしば動物の形につくられていた。天秤による計量には人の恣意(しい)的な操作を入れる余地がないので、正邪を計る神の道具とされた。このため、正義の女神とされるアストライアまたはテミスの像は天秤を捧(ささ)げており、西洋の裁判所には天秤が置かれている。仏教にも同様な説話がある。古代エジプトでは、すでに青銅をつくる過程で天秤が用いられた。青銅は銅と錫(すず)の一定質量比率でもっとも硬い合金となる。天秤の支点、重点にナイフエッジが用いられるようになったとき、その精度は飛躍的に改良された。以後、天秤は冶金(やきん)と化学の有力な道具となり、いろいろな科学の定理や法則の発見に貢献した。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
★さお秤(さおばかり) [ 日本大百科全書(小学館) ] .
てことおもりによって質量を計るはかりの総称。狭い意味では目盛りざおが1本の秤をいい、上皿(うわざら)さお秤を含む。このうち、日本で古くから使われてきた棒状のさお秤を棒秤とよぶ。天秤(てんびん)に対する分類名称であるが、秤が多様化した今日では主として棒秤をさすようになった。棒状といってもさおの断面は円形に限らず、長方形断面のものもある。「計量法」ではこの棒秤を「質量の目盛りのある1個の直線形のてこを使用し、そのてこに沿って、おもりまたはこれにかわる力点移動装置を移動させることにより、つり合いを得させる手動秤であって、にらみ装置のないもの」としている。にらみ装置とは、さおが水平になったことを指示する部分のことである。
ヨーロッパでは、棒秤はローマ時代に発明されたため、いまでもローマ秤という。中国でさお秤が出現した時期は周の時代と推定される。西洋には、おもりを使わず、さおの先を重くし、支点を移動させてつり合わせるものがあり、これをビスマーとよぶ。中国および日本では、古くはさおに金属を使わず、木、角(つの)、骨などを用いた。江戸幕府はこの棒秤の製作、修理、販売および取締りを江戸と京都の秤座(はかりざ)に独占的に扱わせた。 [ 執筆者:小泉袈裟勝 ]
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