2014年4月1日火曜日

朴槿恵が「アベと会えない」理由

朴槿恵が「アベと会えない」理由               鈴置 高史  2014年3月27日(木)  朴槿恵(パク・クンヘ)大統領はなぜ「歴史観の異なるアベとは会わない」と言い続けたのか。読者と考える。 専門家にとっても謎 米国の強い要求にもかかわらず、朴槿恵大統領は「日韓」首脳会談を拒否してきました。「日米韓」3カ国首脳会談には3月25日(現地時間)、渋々応じましたが。 鈴置:米国が、オランダ・ハーグでの核安全保障サミットの場を利用し、日韓両国を招く形を作って何とか開催にこぎつけました。韓国から要求を拒絶されてきた米国は、これで辛うじて面子を保てました。  しかし、差しで会うという意味では、朴槿恵大統領は2013年2月25日の就任以降、もう1年1カ月以上も安倍晋三首相との会談を拒み続けているわけです。 Q なぜ、安倍首相と会いたくないのでしょうか。  それは専門家の間でも謎なのです。神戸大学大学院の木村幹教授も3月12日、ツイッターで以下のようにぼやいておられます。  しかしどうして朴槿惠は「首脳会談をしない事」にこんなに拘るのだろうか。さすがに、ここまで来ると訳がわからん。「首脳会談をしない事」が「日本への圧力」になる訳でもあるまいし。  木村幹先生は韓国政治研究で先頭を走る1人です。その人でさえ首を傾げる。ちなみに、木村先生は「それらしい説は色々あるが、どこか腑に落ちない」という意味で「わからん」とぼやかれているのだと思います。 読み違い説がベーシック Q “それらしい説”でもいいので、教えてください。 鈴置:告げ口外交の場も含め、朴槿恵大統領が公式に言い続けた「会わない理由」は「日本政府の歴史観が間違っているから」です。  本音ベースで翻訳すれば「日本がすべての要求をのまない限り、会ってやらないぞ」という意味です。  具体的な要求内容は、米国から「ハーグで日本と対話せよ」と圧力がかかって以降は、従軍慰安婦への謝罪に絞り込まれた感があります。  ただ、それまで韓国政府が「正すべき歴史認識」として明示的に、あるいは暗示的に示してきた要求は、慰安婦への補償、竹島領有権の主張取り下げ、閣僚の靖国参拝の全面的自粛、戦時徴用工への補償など多岐にわたりました。  しかし、相手国の首脳に会いもしないで、遠くから要求を突きつければ解決できる――と考えるのは常識外れです。  そもそも、相手国の歴史観が自分と異なるからといって突然に首脳が会わなくなるのは外交的に異例なことです。前の李明博(イ・ミョンバク)大統領の時は問題解決のために話し合っていたのですから。  この異様な朴槿恵外交を目の当たりにした関係者は「会わないと言い続ける原因は、本当は何だろう」と頭をひねり始めたのです。  まず、多くの専門家が考えたのは読み違い説です。朴槿恵大統領が「日本に対し強気に出れば出るほど多くが得られる」と考えたものの、それが判断ミスで、泥沼にはまった――という解説です。 告げ口は当たり前の韓国  李明博政権時に再燃した慰安婦問題の解決策として、当時の野田首相は「首相の謝罪」も検討したようです。  それを見た朴槿恵大統領が「自分が強く出れば、日本からもっと多く獲れる」と考えたとしても不思議ではありません。そこで「言うことを聞かないと一切会わないぞ」と日本を威嚇したのでしょう。  でも、日本人も怒りだしていた。韓国は何度謝罪しても「頭の下げ方が足りなかった」と言い出す。ことに朴槿恵政権になって世界で「日本は謝罪と反省をしていない」と宣伝する、告げ口外交まで始めました。  こうした手法は韓国社会では当たり前です。労働組合は要求を経営側だけでなく、世間にも訴えるのが常道です。韓国では世論を使って圧力をかけると結構、成功するからです。  寒風吹きすさぶ中、労組の有志が鉄塔に登って籠城してみせたりします。もちろん、メディアを呼び集め、左派政党にも応援を依頼します。  夫婦喧嘩でも奥さんが家の外、つまり通りに出て亭主の悪口を叫ぶ。音をあげた亭主が折れる――ということが韓国では奇異なこととして認識されていません。  しかし、日本人は「表通りで叫ぶ」朴槿恵大統領を見て、強い違和感を抱きました。告げ口ばかりして、自分と話し合おうともしない相手は信頼できないわけです、日本人は。 堪忍袋がない韓国人 普通の世界ではそうでしょう。  しかし、朴槿恵大統領はそうは考えなかったようです。日本が乗ってこないと、まだ言い方が足りないと思ったのでしょう。  各国の国家元首と会談するたびに、あるいは世界のメディアのインタビューを受けるたびに「日本の歴史観は誤っている」と、ますます声を大きくしたのです。  日本はあきれ果て「変な国はほかっておこう」という空気が広まった。韓国側の完全な読み違いです。  荒木和博・拓殖大学教授がこの日韓の食い違いを面白く表現しています。以下の通りです。 韓国人は怒った時はその場で発散する。つまり、韓国人には堪忍袋がない。 一方、日本人は少しぐらいのことでは怒らない。そこで韓国人は日本に対し、やりたい放題やり出す。 さすがの日本人も、ある一線を超えると「堪忍袋の緒」を切らし、猛烈に怒り出す。 しかし「堪忍袋のない」韓国人には、なぜ日本人が突然怒りだしたか理解できない。 そこで韓国人は「極右のアベが首相になったから」、あるいは「自信を失った日本人が右傾化した」ことを原因に求め、ますます日本批判を強めている。 大統領の性格論 Q 「堪忍袋のない韓国人」ですか。実に明快な説明ですね。ただ、世論調査によると過半数の韓国人は日韓首脳会談をすべきと考えているようですが……。 鈴置:3月18日発表(調査時点は3月10―13日)の韓国ギャラップ調査ですね。「懸案解決のため、日韓首脳会談が必要だ」と答えた人が52%で「不要」の40%を少し上回りました。  これを見ても分かるように、韓国に「不倶戴天の敵、日本の首相とは絶対に会うな」というムードが広がっているわけではありません。  また、普通の韓国人は今回の「大統領主導の反日」に飽きがきてもいました。もう、1年間も同じことをやっているのですから。「怒っている」とすれば、はるかに日本人の方が怒っているのです。  世論調査にも現れたように「右傾化したアベ」とも会談しても、朴槿恵批判がまき起きる気配は韓国にはないのです。2013年秋頃から、親・朴槿恵の保守系メディアも「日本との首脳会談を開いたらどうか」と主張しています。  しかし、こうした軌道修正のチャンスがあったにもかかわらず、朴槿恵大統領は日韓首脳会談に応じず、告げ口外交に専念しました。  そこで「読み違い説」を補強するさらなる仮説が登場しました。この異様な対日強硬策は大統領の性格、交渉スタイルから来ている、との見方です。 「なめるなよ」  傍証が北朝鮮への強硬姿勢です。朴槿恵大統領は当初から「北には一切、妥協しない」とのスタンスを打ち出しました。北に少しでも融和的と見られた政府高官はすぐに切りもしました。  まず「なめるなよ」と先制パンチを食らわし、相手がひるんだところで交渉に入る、という作戦です。  財閥に対してもそうです。朴槿恵大統領は就任するやいないや、サムスンから分かれたある中堅財閥を徹底的に叩きました。オーナー一家が利益を海外に不正に送金し隠匿していた、という罪状を掲げました。  資産の海外逃避はどの財閥で多かれ少なかれやっていることですから、この財閥はスケープゴートにされたわけです。  しかし、これですべての財閥が震えあがりました。少なくとも表面上は朴槿恵政権に従っています。 まさに「なめるなよ」スタイルですね。  父親の朴正煕政権以降、韓国では「困った時の3叩き」が常識でした。政権が窮地に追いつめられた時、北朝鮮、財閥、日本のいずれかを悪者にして叩き、国民の目をそらしたのです。  普通は1つずつ順番に叩いたものですが、今回は政権がスタートすると同時に、それも一挙に3方面を叩いたのです。“ロケットスタート”を目指したようです。 父親の負の遺産説も Q 北朝鮮や財閥は朴槿恵大統領に睨まれたら困るでしょう。でも、日本は別段、困りません。 鈴置:そこなのです。木村先生のツイッターの「『首脳会談しない事』が『日本への圧力』になるわけでもあるまいし」との指摘が、まさにそこを突いています。  日本は困るどころか「日本を千年恨むと宣言し、難癖付けて首脳会談しない大統領が出たのは幸いだ。これを機に、あのうるさい国とは縁を切ろう」という声が高まりました。  いくら韓国人が天動説の信者――韓国中心に世界を見る人たちといっても、南からの援助が欲しくて仕方がない北朝鮮や、オーナーを刑務所に送られたくない財閥と、日本が異なることは少し考えれば分かります。  別段、考えなくとも「無視された日本」が困っておらず、むしろ喜んでいるのを見れば、朴槿恵大統領の「日本無視戦略」の無意味さは分かるはずです。にもかかわらず、政権がそれを続けたのはなぜだろう――。また、関係者は考え込みました。  ここで浮かんだのが、朴槿恵大統領が「会わない」と言い続ける本当の理由は、問題を解決するための手口というよりも、「会わないこと」自体が目的ではないのか、との仮説でした。 「会わない」のではなく「会えない」 Q なぜ、「会わない」のでしょうか。  会えば、お父さんの故・朴正煕大統領の問題が再びクローズアップしかねないのです。「会わない」というよりも「会えない」ということです。  朴槿恵大統領は父親の威光を十二分に生かし当選しました。しかし、父親からの負の遺産もあります。拷問など苛酷な人権侵害と、もう1つは親日イメージです。 首脳会談に応じても、それだけで親日派批判が起きるとは思えません。条件付きとはいえ、過半数の人が会談に賛成しているのです。 鈴置:確かに、平均的な韓国人はそうした批判にくみしないと思います。しかし、強力な反・朴槿恵勢力も韓国にはいるのです。大統領の支持率は就任1年たった後も50―60%と高いのですが、不支持率も20―30%台に達しています。  後者の反・朴槿恵勢力は政策のどこかが問題だ、というよりも、この大統領自体が気に食わないという人々です。自分や親族が朴正煕政権に弾圧されたといった恨みからです。  この政権下では令状なしに逮捕して拷問する、なんてことが普通に行われていましたし、北のスパイと認定されると一族に累が及びました。親戚のために就職も結婚もできない、あるいはパスポートもとれない人が多かったのです。  反・朴槿恵勢力はとにかく、どんなことでいいから大統領の足を引っ張って退陣に追い込もうとします。安倍首相と会談しようものなら「朴正煕の親日の証拠」をどこかから探し出して騒ぐ可能性大です。 朴正煕と慰安婦施設 Q 新たな「証拠」などまだ、あるのですか。 鈴置:それが結構あるのです。以下は「親日」というより「日本と同じ悪行」というケースです。2013年11月、野党、民主党は「韓国政府が米兵相手の慰安婦施設を事実上、管理していた。証拠書類には当時の大統領である朴正煕のサインまである」と、写真付きで発表しています。  左派系紙のハンギョレは「『基地村女性管理』朴正煕の親筆書名文書公開」(2013年11月6日)として報じました。でも、同紙以外はどのメディアもこのニュースを報じませんでした。  韓国政府が日本軍の慰安婦問題を「女性の人権問題だ」と非難している最中、現職大統領のお父さんが実は米軍の慰安婦施設設営に関わっていた、などと知れ渡ったら韓国人の面子が丸潰れになるからでしょう。 「竹島密約」も露見  それだけではありません。竹島に関しても故・朴正煕大統領の“弱点”があぶり出されています。きっかけはロー・ダニエルという韓国の学者が書いた『竹島密約』です。  日韓国交正常化の際、両国は領有権問題を棚上げしました。「双方は領有権を主張してもよい。韓国の実効支配は暗黙裡に認められるが、人員・施設の増強はしない」などを、非公開にするとの条件で約束したとされています。  ロー・ダニエル氏は粘り強い取材でこの話の裏付けをとり、まず2008年に日本語で出版しました。韓国語版の『独島密約』は2012年に刊行されましたが、ほとんどのメディアからは無視されました。  密約の締結当時は韓国もその存在を意識していました。しかし、金泳三政権(1992―1997年)以降、韓国政府は密約をすっかり踏みにじって「独島(竹島)の領有権を主張する日本がけしからん」と非難し始めました。今や、領有権の主張こそが軍国主義復活の証し、と韓国は国を挙げて対日批判にも使うようになっています。  この本を通じ密約の存在が広く知られれば、韓国政府は大いに困ってしまいます。それだけではありません。2012年当時は、与党から朴槿恵氏が大統領選に名乗りをあげていました。  保守勢力としては、密約の当事者で日本の領有権の主張を半ば認めた張本人が次期大統領候補の父親、という事実は絶対に知られたくなかったのです。 「大統領、必ずお読みください」  やはり、この本を紹介したのは左派系紙のハンギョレと、ネットニュースの「オーマイニュース」くらいでした。  前者の見出しは「朴正煕政権はなぜ、独島の守りの手を折ったのか――独島密約、今や語らねばならない」(2012年8月15日)でした。  後者は「朴槿恵議員様、『独島密約』を必ずお読みください」(2012年7月17日)という刺激的な見出しを付けました。  韓国の歴代大統領の中で、日本と竹島や慰安婦の問題を交渉するのに最もハンデキャップがあるのが朴槿恵大統領です。もし日韓首脳会談の席上、「独島」「慰安婦」で日本を罵倒している最中に、この本や書類を渡されたら、立ち往生します。  日本側が渡さなくても、首脳会談を開くとなれば韓国の左派メディアがここぞとばかりに「大統領、これを必ずお読みください」と書くかもしれない。  となると、日本の首相とは絶対に会わないようにして、遠巻きに日本を非難しているのが一番賢明、ということになります。 通夫 親が許可して慰安婦施設も作って、米国に奉仕した。その親は日本の軍人だった。親が親日でも子供が裁かれるという「親日罪」を適用してやればいいのになんでやらないんだろう。一発で終わるのに。告訴は誰でも出来るんじゃないの。役に立たない大統領っていらないでしょう。 朋史 朴大統領はインドネシアで45分間だけど、安倍さんと秘密会談を実はすでにやっていて、「このことは言わないでくれ、自分は大統領を続けられなくなるから・・・。」と言ってたみたいですね。 浩 ホント、バカバカしい国ですな(笑) 一人 慰安婦は、韓国の文化なのですね。 日本歴史上ないことが、どこから出てきたのか不思議でした。 韓国は、韓国の娼婦を慰安婦と言っているだけですか? 日本の報道機関が、娼婦の像と報道すれば、韓国大統領は、窮地に立たされます。 娼婦の像を世界各国につくっているのは、滑稽です。 一人 日本の国民も、首脳会談を望んでいない。 韓国は、日本の地理的重要性を理解出来ない。 オバマ大統領もおなじ。 Yamamoto 会わない理由は、会えば安倍首相に「慰安婦の募集に尽力したのは韓国語が判る貴方のお父さんですよ」と言われるのが怖いからです。お父さんのやったことを否定してまで、慰安婦は日本軍の強制連行だと言うことが出来なくなりますからね!

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