2013年12月15日日曜日

「虫との共生」

「虫との共生」          岡本 よりたか 野菜というのは虫が好んで食べる。農業者も多くの消費者もこの虫食いを嫌い、殺虫剤のかかった野菜を好んで食べる。虫たちに野菜を分け与えることなく、人間たちが独占しようとするわけだ。 人間はキャベツもレタスも葉の外側は食べない。畑に残されて腐るか、生ごみポストに放り投げられる。しかし、虫たちが食べるのは中心ではなく、外側である。虫は決して人間の食べる野菜を搾取しようとはしていない。なのに人間は強欲に虫を追い出そうとする。なんともおかしな話ではないか。... ヒラフジジュンイチさんが、「野人エッセイ」をシェアしてくれているので、時間がある人は読むと面白い。 http://p.tl/oC9d 時間が無い人のために、簡単にまとめると、キャベツと青虫は共生関係にある。キャベツは受粉のために蝶を育てる。しかも、青虫がキャベツに付く事で、彼らは外側の葉を食べ、糞として植物には生産できないリン酸に変えて残してくれる。その糞が根元に流れ肥料となるわけだ。 キャベツは花を咲かせるために巻き始める。中心を青虫たちに食べられないようにするためだ。もちろん青虫も共生関係にあるキャベツの中心は食べない。事実、無農薬キャベツでも、外側を剥けば、綺麗なキャベツを出荷できる。 トマトを栽培すると、トマトの1/5は虫に食われる。トマトも虫媒花であるから受粉を虫に頼るからだ。1/5食べられるなら20%増量して栽培すればいい。それこそが共生関係であるのに、農家は損をしたと考える。根本的に間違っている発想だ。効率化がもたらす悪癖である。 効率化は虫たちも減らしていることに気づかない農家が多い。自分達の生活を守ってくれているの誰かを知らない。ネオニコチノイドという強烈な殺虫剤を撒くだけでなく、モノカルチャーという単一栽培をして虫たちの住処を奪う。単一栽培では花が咲く時期が1年のうちの2週間ほどしかないため、虫たちが飢え死にしてしまうからだ。 虫たちが受粉してくれないのであればと、農業者は植物ホルモン剤を散布する。オーキシンなどと呼ばれるものだ。これを散布すると、植物は受粉したと勘違いして実を付ける。だが、実際には受粉していないのだから種が出来ない。結局、自分達の首を絞めていることには変わりない。 やがて遺伝子組換え種子という大洪水が来る。その時にノアの方舟に乗れるのは、自家採種を続けてきた農家だけだ。それを知らない農家は、ノアの方舟に乗ろうとすら思わないだろう。

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