2013年12月16日月曜日

「農地バンク法が何故自然栽培に不利なのか」

「農地バンク法が何故自然栽培に不利なのか」 岡本 よりたか 農地バンク法について紹介したが、何故、次世代の農業である自然栽培にとって不利というか、自然栽培潰し的であるかについて補足しておく。 http://p.tl/tTty この法律はあくまでも効率化農業のためにものである。日本政府は、あるいは先進国というのは必ずと言っていいほど、効率化が幸福をもたらすと断言する。日本の農業が何故ジリ貧なのかといえば、全ては非効率的な農業であるからと断言するわけだ。 しかし、効率化が逆に多くの農家をジリ貧にしてきたという事実を認めようとしない。効率化により多くの農機具、農業機械、資材が必要となる。かつ農家人口を劇的に減らしてゆく。さらに、大量生産型、大量消費型、大量廃棄型に移行し、かつ補助金の放出で価格が低迷する。消費者は当然価格の安い方を好むので、消費者を巻き込んで正当化する流れとなる。 日本の農業がジリ貧である理由のもう一つは、輸入食品を大量に受け入れているからである。GDPの低い国から、あるいは更なる大規模化を推し進める国から安い食料を輸入することで、国内の農家が太刀打ちできなくなる。 このような状況に誘導しておきながら、農業の成長のために更なる効率化、大規模化を推し進めようというのだから空いた口が塞がらない。 この農地バンク法は、効率化、大規模化のために農地、特に耕作放棄地を集約するという。しかも10年以内に8割の農地を集約させようと考えているが、これには、大規模な土木工事が発生する。この工事は、多くの土壌を掘り起しかき混ぜる。しかもその上にどこから運んできたか分からない残土を積み上げるという馬鹿げた事をする。 その土壌は自然の循環が途切れ、微生物が激減し、その代わりに産業廃棄物や岩石が混ざり込む可能性が高い。そのような大規模な土木工事が行われた畑や田んぼでは生態系が壊れ、自然栽培などすぐには出来ない。肥料と農薬ありきの慣行栽培のことしか考えていないということだ。 意図的に自然栽培を潰そうと思って成立させた法律ではないが、結果的にはそうなってしまう。制度だけを見てチャンスと思うのは勝手であるが、僕はこの法律に到底賛成できない。 政府がやるべきことは何か。それは行き過ぎた肥料栽培と農薬栽培を抑制し、自然共生型農業を増やすことである。若い人たちが自然と一体になって、あるいは自然と戯れながら出来る農業を日本にもたらすことだ。無駄な出費は出来るだけ抑えて、就農しやすくすることである。 農協、卸、仲卸、小売りなどという流通ではなく、栽培したものを出来るだけ小売りや消費者に直接渡せる流通を構築すること。輸入作物を減らし、農産物の低価格に歯止めをかけること。たとえそうなっても、消費者のエンゲル係数はさほど上がらないはずだ。無駄な加工品を減らし、廃棄を減らし、中間マージンを減らし、余った人材は農業へと誘導する。 「江戸時代に戻るつもりか!」と言う者がいる。その通りである。言ってみれば江戸時代の農業に戻るべきだと言っている。今の食の荒廃を反省して、一から出直すべきだと言っているのである。

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